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争点:インフレと公共工事で金は本当に回るか? [政治]

インフレで本当に金が回るのだろうか。

この10年くらいはマネーサプライは増えたり減ったりしているはずだが、
資金の需要がなくて、増えた時も減った時も大きく変わっていない。

企業は今コンパクト化に向かっている。
輸出業界は電機も車も国内は縮小している。
円安を誘導すると言うことは、前提が輸出業界の拡大が景気回復の主柱のはずである。
輸出業が今国内投資を進めるとは思えない。資金需要は乏しい。
リストラ資金はいるかもしれないけど。

では公共事業関連に需要はあるか。
実弾だから建設業は動き始めるだろう。
つなぎや仕入資金の需要も上がるだろうし、人件費も増えるだろう。
そこでお金は回ると言えば回る。

しかし、ゼネコン・建設業界自体は大不況続きで体力がなく、おいそれと給料やボーナスが
上がる業界ではない。社会の消費を昔のように牽引出来る業界ではない。
賃金で動くのは現場労働者への人件費であり、工事経費は上がっても給与水準という意味では転嫁しないだろう。

公共工事はばらまきは税収という形で回収できないとばらまきで終わってしまう。
現場労働者の年間賃金は低く、納税は最小限に終わる。
工事ごとのひも付きで税金をとるなら税収の増加もあるかもしれないが、
グロスでゼネコンが大幅黒字なんてありえないから財政にも寄与しない。
ばらまいた割には国中に回転せず、税収という回収もできない。

ばらまきがひと段落したらまたまた公共工事縮小で建設不況である。
この10年程業界は本当に痛い目を見てきたので、将来がこれで開けるとは
思わないだろう。さて、楽観的にバンバンお金を使うだろうか?

金が動いて税金が取れるのは消費税。
本気でやるなら所得税→消費税という大幅なシフトがないとこのやり方では税収は上がらない。
しかも未納消費税は計り知れないほどあって、国は取りっぱぐれ、消費者は盗まれているのだ。
ただでさえ消費税は評判が悪いから導入拡大は難しい。

日本人のマインドに楽観性が乏しい。
しかもインフレ>給与上昇になるのは見えている。企業はインフレ率を超えて給与を
無条件に出すわけがない。
インフレ率2%給与上昇2%では実質0%上昇。
業績や年功を排除した状態で、600万円の年収の人の給与が毎年月1万円
づつ自動的に上昇して始めて追いつく水準。
消費税率が上がればたちまちマイナスに転じる。
つまり、将来の実質賃金は下がるから、将来のインフレにさえ備えるし、
楽観的にお金を使うほど国民が馬鹿じゃない。
農耕民族が当分不作続きだとわかっている時にどうするか。それが日本人のマインドです。

公共工事とインフレだけで日本が再生するほど甘くない、というのが私の結論。
経済学の論理的には当たってます。机上と帳簿上だけの話。
甘いぞ、経済学者。
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